about Dalmatian


ダルメシアンと聞いて、何を思い浮かべるでしょう。


ぶちぶちの水玉模様、ディズニーの101わんちゃん、「猟犬?」と聞かれることもしばしばで、素敵なモデルのようなイメージもあればドッグランで全速力で走る暴走族のようなシーンを目撃してしまった人もいるかもしれません。ここではダルメシアンという犬種について、スタンダードと私たちの飼育経験をもとに紐解いていきます。

<歴史>

「ダルメシアンの起源は依然不明で、憶測あるのみである。古代エジプトの墓で発見された彫刻や16世紀から18世紀に描かれた絵からダルメシアンは数千年前から存在していたと推測される。14世紀行こう、特に1719年以降の教会の歴史志から、この犬種の起源が地中海地域、特にダルメシア海岸の近くであったということが読み取れる。」(JKCスタンダード第10版)

 

<馬車犬としてのダルメシアン>

かつてダルメシアンの活動は多岐にわたっていました。軍用犬、ヒツジの番犬、その嗅覚を利用し鳥獣猟やレトリーバーとしても使われました。その記憶力の良さからサーカスやステージドッグとしての役割もかっていました。今でも海外のサーカス団にダルメシアンを見ることがあります。

しかし、ダルメシアンが最も重要視されたのは馬をリードする唯一の馬車犬としてでした。

 

「この犬は、身体的に路上の仕事に向いている。体格はスピードと持久力がちょうどよく調和している。歩行には動作の美しさと敏捷さがあり、また旅の終わりまで元気に行けるだけの耐久力、生命力、不屈の精神を持っている。」

AKC公認全犬種標準書)

 

ダルメシアンはことに動くことが大好きで、暑い日も寒い日も外に出ればいつまでも走っていられるようなエネルギーを備えている犬です。このエネルギーが備わった理由はまぎれもなく馬をリードして長距離を旅してきた歴史が忘れられることなく受け継がれているからです。

 

<ダルメシアンと難聴>

ダルメシアンの代表的な疾患に難聴があります。

 

アメリカで行われた調査によると、ダルメシアンの2030%が両耳、または片方の耳が聞こえないという結果が出ています。耳の聞こえない犬を繁殖に使わないことはどの犬種においても大前提です。ダルメシアンはかなしいかなスポットのきれいさが重視されて繁殖され、その内面に目を向けられてこなかった事実があります。ダルメシアンのスポットの要素であるメラニン色素は、聴覚に影響があります。外見だけにとらわれたリスクを無視した繁殖の先に、幸せはありません。私たちはここに最大限の注意を払って繁殖計画を立てています。

 

<ダルメシアンと暮らす>

私たちが最初のダルメシアン、ジルを迎えたのは1999年の夏でした。それからずっと、生活の傍らにダルメシアンがいます。このタフでエネルギーに満ち溢れた犬種と暮らしてきて思うのは、良くも悪くもユニークな犬だなということ。

教えていなくても見て覚え、自分の考えで行動していく力が強い犬だと思います。それがいい方向へ作用していけばこちらも万々歳なのですが、時に思いもよらぬ方向へ行動して行ってしまうこともあります。

飼い主がリーダーシップをとって、YESNOをはっきり示していくことが必要となります。

それができれば、ダルメシアンはとっても表情豊かで考える力に富んだ賢いパートナーになること間違いありません。人の言葉が全部分かっているような、いまにも話しだしそうな思慮深い表情に、私たちは毎日ぞっこんです。ダルメシアンもまた、人との密なコミュニケーションを求めてきます。

ことに愛情深く、家族のことが大好きで、行動の一つ一つが、人の予想を越えるような、そんなこともしちゃうの?と言ってしまうような、犬というより小さな子供のような存在であると、日々思うのです。

 

ダルメシアンのこの知的な一面について本にはこのように書かれています。

 

「ダルメシアンは働きぶりと人目を引く見ためを重要視されて選ばれた犬である。ダルメシアンは、人、馬車、馬たちと行動を共にすることに自信を持っていなくてはならない。通りのざわめきに冷静さや注意を失うことなく、馬を守り、安全とスムーズに交通が運ぶための道を切り開くという与えられた仕事をこなす。

ダルメシアンは自分で馬車が進むうえで何が邪魔でありそうでないのかを自分で判断できるくらいに十分に賢くなくてはならず、道にある進行の妨げになるものを排除する能力にたけている必要がある。

なぜスタンダードがこのような(戦闘機のパイロットさえもが賞賛するような)気質と表情や行動に見られる高い知性を求めるのか、その仕事に求められる能力から理解することができる。」

 

馬車の伴走犬であった長い歴史が与えてくれた満ち溢れる生命力と、考える力。

馬車と走る仕事はなくなった現代でも、ドッグショーのリングや様々な競技、海でも山でも、どこまでも一緒に付き合ってくれる最高のパートナードッグであることに変わりはありません。感情のキャッチボールのようにたくさんのリアクションが返ってくるのは、ダル飼いの楽しみの一つではないでしょうか。

 

ドッグスポーツやアウトドアが好きなご家庭にはぴったりの犬種ですが、我が家はけっこうまったりと育てているんですよ。

一緒にガーデニングしたり、ソファーで寝そべったり、ウォーキングのお供にしたり、アウトレットに行ったり。

確かにきちんと運動量を確保する必要がありますが、その分頭を使った遊びをしたり関係にメリハリをつけることで

バランスを保つことができます。ですが週末には、ドッグランなどで大爆走させてあげてください^^

良質な食事、運動、日光浴が犬の気質の安定につながります。

 

年間17万頭もの犬猫が殺処分されているこの日本において、犬を繁殖する社会的意味をずっと考えていました。いい犬とは一体どんな犬のことを指すのでしょう。その答えを、2013年にメルシーが生んだ男の子DAVEが教えてくれました。「気質の安定したダルメシアンと共に過ごす毎日はこんなにも楽しくて幸せ。」この想いを、これからダルメシアンをパートナーに選ぼうと考えている方にリレーしたい、そう考えています。

 

私たちが愛情いっぱいに育てたダルメシアンが、新たなご家族のもとにハッピーを届けて、この犬と人生を共にできてよかったと思ってもらうことができたらそれほど嬉しいことはありません。そう思っていただけるように、日々努力していきます。

Happy Angel Hills オーナー 高橋真佐子

2015.6.15